(あくまで)僕の思う上生菓子のお話です。
上生菓子は、その意匠(#design)と菓銘(#title)とでお菓子として完成しています。
桜の形のお菓子に「初桜」「春の便り」とつければ、咲き始めの桜の花が思い浮かびます。
同じお菓子に「花の風」とつければ、風に揺れる桜の風景が思い浮かびます。
丸められた真っ白い玉のお菓子に「雪の玉」とつければ、
雪合戦や雪だるまの丸めた玉かな?空から落ちてきた雪かな?
などと想像し、「海の宝石」とつければ、真珠の玉に見えてきます。
母なる海で育まれた”生命”と見る人もいるかもしれません。
紅葉のお菓子と「夕映え」という菓銘を聞いて、
夕焼けに染まった紅葉って綺麗だよねって思う人もいれば、
あぁ夕焼けと紅葉の色って一緒だよね。あ、もしかして紅葉って夕焼けが染み込んで染まっていくのかな?
なんて思う人もいると思うんですよ。
菓銘ひとつで見える景色が無数に広がっていく。
想像される景色は人それぞれ違うものであって、世界に一つのお菓子となる。
お客様がお菓子を完成させると僕は思っています。
ちょっとカッコつけた言い方をしていますが、そこが上生菓子の魅力であり、楽しさなのだと思います。
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